新型コロナウィルスによる大規模リスクオフの影響を、ドル円に着目してやさしく解説してみました。

【コロナショック】ドル円のターゲットは92円!? 専業トレーダーがやさしく解説します

やさしいマーケット分析

「相場なんて結局は動いてみないと分からない」という経験上、相場を予想することはあまりしたくないのですが、ブロガーとしてたまにはこんなタイトルの記事も書いてみます。

この記事は、新型コロナウィルスによる大規模リスクオフの影響を、テクニカル的な観点から、ドル円に着目してやさしく解説したものです。

うちゅーじん
うちゅーじん

こんにちは。チャートと会話できる宇宙人です。FXは嫌いですが専業トレーダーをやっています。

金融や経済に関する知識が無い方にも理解してもらえるよう、やさしく解説するというコンセプトで記事を作りました。

あまり難しい話はしないので、ぜひ読んでみてください。

新型コロナウィルスによる大規模リスクオフ

新型コロナウィルスが材料(きっかけ)となり、マーケットは急で大規模なリスクオフに突入しています。経済に興味が無い方でも連日の株価暴落のニュースを耳にしていることでしょう。

リスクオフとは

本題に入る前に、基本事項を簡単に解説しておきます。なお、この記事はやさしく解説するというコンセプトなので簡略化してあります。

リスクオフとは、投資家が大きなリターンを求めなくなる状況のこと

リスクオフはリスク回避とも呼ばれます。言葉の通り、リスクを嫌う状況のことです。そして、リスクというのはリターンの振れ幅のことです。よって、リスクオフを言い換えると「リターンの振れ幅を嫌う」ということになります。つまり、リスクオフとは、投資家が大きなリターンを求めなくなる状況と考えると分かりやすいです。

投資家A
投資家A

この先どうなるか不安だなあ。大きなリターンは求めないから、とにかく資産を守りたいなあ。

リスクオフだと、円は買われやすい

世界には様々な通貨があり、それぞれ特徴を持っています。

例えば、持っているだけで多くの金利を得られるものがあります。100万円を持っておくと1年後には10万円も増えて110万円になっていると考えると想像しやすいと思います。このような通貨を高金利通貨と呼びます。

逆に、持っていてもほとんど増えない、あるいは減ってゆく通貨があります。現在の日本円はこちらです。銀行にお金を預けておいてもほとんど増えませんよね。このような通貨を低金利通貨と呼びます。

リスクオフの対義語をリスクオンと呼ぶのですが、リスクオンのとき、投資家は資産を高金利通貨にしたがります。逆に、リスクオフのときには資産を低金利通貨にしたがります。よって、リスクオフ時には高金利通貨が売られ低金利通貨が買われるという動きになります。

実際にはもっと難しい話があるのですが、やさしく解説するコンセプトの記事なので省略します。とにかく日本円は安全だという認識が投資家の中にあり、この先に不安を感じると円を買いたがるのだと考えてると良いです。正直、この辺りの内容を他者に完璧に教えられるほどの知識は僕にはありません。

うちゅーじん
うちゅーじん

投資家のみなさん不安だと思いますが、これからどうしますか?

投資家B
投資家B

豪ドル建ての投資信託なんかは解約しちゃおうかしら。とにかく今は資産を日本円にして持っておきたいわ。

投資家C
投資家C

私の人生でもパンデミックの可能性を考えるのは初めてのことだよ。とりあえず株式を売却して、その後についてはこれから考えようと思うよ。

このように、投資家は大きなリターンを求めない代わりにより安全な形で資産を持っておこうとします。ここでは日本円ばかり登場させていますが、スイスフランも安全通貨の定番です。通貨以外に目を向けると例えば貴金属も安全資産です。

うちゅーじん
うちゅーじん

ちなみに、新型コロナウィルスはあくまで『リスクオフに入るきっかけ』に過ぎないと僕は考えています。僕なりの言葉でより適切に表現すると、新型コロナウィルスが『相場を調整入りさせる最初材料になったです。新型コロナウィルスの件が落ち着いたら、次はそれに続くリスクオフ材料が出てくるかも・・・? 長く相場と向き合っているとこういうことは多々あって『わるいおとな』の存在を感じます。
あっ!誰か来たみたい。

ドル円のターゲットは92円!?

それでは本題に入ります。

僕の分析によると、ドル円の下値ターゲットは92円付近になりそうです。現在は108円台なので、ここから16円ほど円高方向に進むということになります。
ちなみに僕は、経済学者でもなく、経済アナリストでもなく、ただの専業トレーダーです。そして、僕の得意分野はテクニカル分析です。この記事でもテクニカル分析を用いて解説します。

難しい話は無しに、早速チャートを見てみましょう。

USD/JPY(Week)

このチャートはドル円の週足チャートです。週足チャートというのは、1週間にローソク足(赤や緑のもの)が一本完成するチャートということです。ドル円の下値ターゲットは92円だと述べましたが、週足では92円は見えません。(上下の縮尺を変更すれば見えますが、見にくいです。)よって、月足チャートを見てみます。

USD/JPY(Month)

月足チャートだと92円のラインが見えました。赤い線で示しています。僕は、今後ドル円がこの92円付近まで下落すると考えています。

USD/JPY(Month)

つまり、こういうことです。チャートに示すと分かりやすいです。

これまでのドル円の動きを振り返る(おまけ)

せっかくなので、見える範囲で過去の出来事を振り返ってみましょう。興味のない方は下にスクロールしてください。

USD/JPY(Month)と過去の出来事
  • 2007/?? サブプライムローン問題
  • 2008/09 リーマンショック
  • 2011/03 [日]東日本大震災
  • 2012/11 [日]安倍首相の量的緩和に関する発言(アベノミクス開始)
  • 2013/03 [日]日銀総裁が黒田氏へ(前任:白川氏)
  • 2014/04 [日]消費税引上げ(5%→8%)
  • 2014/10 [日]日銀の追加緩和発表(予告なしのサプライズ緩和)
  • 2015/01 スイスフランショック
  • 2016/01 [日]日本初のマイナス金利導入
  • 2017/11 ビットコイン価格が初の1万ドル超え
  • 2019/07 米連邦準備制度理事会(FRB) 10年半ぶりの利下げ
  • 2019/10 [日]消費税引上げ(8%→10%)
うちゅーじん
うちゅーじん

当初はもっとたくさんリストアップするつもりでしたが、思いのほか疲れるので途中でやめました。

なぜドル円のターゲットを92円だと考えるのか?

本題に戻り、早速ですが結論を述べます。

僕がドル円のターゲットを92円だと考える理由
  • 上昇全体に対するFR61.8%ラインを達成に行くため
  • ジグザグ型の調整C波でFE100%ラインを達成に行くため
  • 月足が調整ブレイクの騙しパターンになったため

上記3点です・・・と言ってもほとんどの方が何のことか理解できないと思うので、一つずつ詳しく解説します。

理由1. 上昇全体に対するFR61.8%ラインを達成に行くため

見慣れない言葉が出てきましたが説明します。”FR”というのは”フィボナッチ・リトレースメント”の略です。フィボナッチリトレースメントの61.8%というのはどういうことなのか、チャートを使って解説します。

フィボナッチ・リトレースメント、略してFR

USD/JPY(Month)

チャートに青い横線が出現しました。この線が”フィボナッチ・リトレースメント”で、一つ前の動き(ここでは上昇)に対して、どれだけ逆行するかを測る目安になるものです。 FR61.8%というのは、61.8%逆行したラインということです。

うちゅーじん
うちゅーじん

フィボナッチ・リトレースメントは、数学者フィボナッチ氏が発見したフィボナッチ比率というものが基になっているようですが、僕は詳しく知りませんし、今後もおそらく調べることは無いでしょう。難しい話は好きではないのです。

大切なのは、フィボナッチ・リトレースメントをどのように使いどのような結論を導き出すか、なのです。チャートを用いて分かりやすく解説するのでご安心ください。

初動の後の調整はFR61.8%より深くなる場合が多い

初動とは、その名の通り最初の動きです。調整というのは逆行のことです。言葉で説明するより図を見た方が分かりやすいです。

初動の後の調整はFR61.8%より深くなる場合が多い

上図のように、チャートは推進と調整を繰り返しながら動きます。ただしボトムをつけた直後は例外で、推進の後に逆方向の推進が来ます。ボトムをつけた直後の推進を初動と呼びます。”初動の後の調整”は文字の通りなのであえて説明するほどではありません。

初動の後の調整はFR61.8%より深くなる場合が多い

このようになる理由は、市場がその初動に対して懐疑的だからです。読み物として読んでくださっている方はここまで理解す必要はないので、どんどん次に進みましょう。

実際のドル円チャートで再確認してみよう

USD/JPY(Month)

左から下落してきて、ボトムをつけた後は上昇しています。この上昇を初動と考えます。 そうすると、必然的にその後の下落は初動の後の調整ということになり、FR61.8%より深くまで下落する場合が多いと考えることができます。FR61.8%はレートだと94.78付近です。

ちなみに、過去の分析記事では次のように解説しています。

ボトムから急激に上昇した後は全体的に横方向に動いています。ただ、価格帯的には50%を達成しているだけです。上昇の初動の後の調整は深い場合が多いということを考えると、図に示した61.8%の94円台まで下落する可能性も十分に考えられます。

マーケット分析20190902

大きく上昇した後の動きです。初動の後の調整は深くなりやすい点を考えると、FR61.8%の下まで調整が進行する可能性を考えていた方が良い状況ですが、非常に底堅いです。下落し始めるとターゲットが分かりやすいですが、あくまで下落し始めた場合です。

マーケット分析20200206
うちゅーじん
うちゅーじん

面白くなってきた? ドル円のターゲット92円と考える理由はあと二つあります。

理由2. ジグザグ型の調整C波でFE100%ラインを達成に行くため

また見慣れない言葉が出てきました。先ほどと同様に、分かりやすく解説するのでご安心ください。まず、”FE”というのは”フィボナッチ・エクステンション”の略です。先ほどのFRと同じフィボナッチの仲間です。チャートを使って解説します。

フィボナッチ・エクステンション、略してFE

USD/JPY(Month)

チャートに赤い線が出現しました。 この線が”フィボナッチ・エクステンション”です。解説のために加筆します。

USD/JPY(Month)

上図では、トップからA,B,Cという動きが進行してきています。フィボナッチ・エクステンションは、C波A波に比べてどれだけ長くなるのかを測る目安になるものです。よって、FE100%というのC波はA波の1倍、つまりC波A波が同じ長さになるラインと理解する方が分かりやすいと思います。ここで言う”長さ”とは縦軸(価格)のことを示します。横軸(時間)は考えません。

うちゅーじん
うちゅーじん

フィボナッチ・エクステンションは、数学者フィボナッチ氏が発見したフィボナッチ比率というものが基になっているようですが・・・(以下省略)

ジグザグ型の調整はA波とC波が同じ長さになる

調整にはいくつかのパターンがありますが全てを解説すると大変なので、今回はジグザグのみを解説します。

調整パターン

ジグザグ型というのは左上のものです。A波とC波が同じ長さになるのが特徴です。 A波とC波が同じ長さになるということは、C波はFE100%まで長くなるということです。

ちなみに、この図にあるのは全て調整パターンです。フラット、ペナント、アセンディングトライアングル、などなど。全てに名前がありますが、覚える必要ありません。

うちゅーじん
うちゅーじん

もしFXをする場合、覚えるのではなく理解するのが理想的です。実際のチャートは例外だらけで、きれいなパターンが出現することは少ないのです。

実際のドル円チャートで再確認してみよう

USD/JPY(Month)

上図の通りFE100%ラインが示されます。つまり、トップから進行中の調整がジグザグ型だと仮定した場合、C波のターゲットFE100%はこのラインとなります。FE100%はレートだと91.70です。

うちゅーじん
うちゅーじん

少し難しい?最後にまとめるから大丈夫。残る理由はあと一つ。

理由3. 月足が調整ブレイクの騙しパターンになったため

やさしく解説するコンセプトの記事なのでご安心ください。すべてチャートを使って分かりやすく解説します。

2月が終了し月足チャートのローソク足が完成した

この記事の最初の方で次のような解説をしました。

週足チャートというのは、1週間にローソク足(赤や緑のもの)が一本完成するチャートということです。

言うまでもなく、月足チャートというのは1ヶ月にローソク足が一本完成するチャートです。そして、チャートの分析は、ローソク足が完成してから行うのが基本です。

USD/JPY(Month)

この記事を書いている現在は2月最終日の29日ですが土曜日です。土曜日は外国為替市場が休日なので、実質的に2月は既に終わっています。月足のローソク足が完成しています。

基礎知識 調整のブレイクとは

調整をブレイクしたら大きく動きやすいです。では、何を根拠調整をブレイクしたと判断するのでしょうか。数ある根拠の一つにトレンドラインが挙げられます。 トレンドラインをすごく簡単に述べると、”過去に止められた価格同士を結んだ線“です。文字で説明するより図で示した方が早いです。

上向きのトレンドラインを下抜けした模式図
下向きのトレンドラインを上抜けした模式図

トレンドラインブレイクは、調整が終了したと判断する根拠の一つになります。

うちゅーじん
うちゅーじん

実際はそんなに簡単ではありません。この記事はやさしく解説するコンセプトなのです。

一時は調整をブレイクしたかのように思われたが・・・!?

今回のドル円ですが、実は一時的にトレンドラインをブレイクしていました。当時の画像がこちらです。

USD/JPY(Month)

解説用の画像なので色々と情報が多いですが、一番右側のローソク足に注目すると、トレンドライン(斜めの黒い線)をブレイクしていることが分かると思います。しかし・・・!

チャートの分析は、ローソク足が完成してから行うのが基本です。

さらりと大切なことを言っていたので、引用しておきます。

そう。ブレイクの判断はローソク足が完成してからでないと判断できないのです。

USD/JPY(Month)

こちらが2月のローソク足が完成した状態のチャートです。このチャートを見る限りだと、あくまで一時的にブレイクしたに過ぎないことが分かると思います。このように、一時的にブレイクしたけどローソク足の終値でブレイクできていない場合はどうなるのか?これが騙しパターン(通称)です。

うちゅーじん
うちゅーじん

僕は「ブレイクの判断はローソク足の終値を待ってからにしましょう。」などとよく解説します。聞き飽きた方も多いと思います。

騙しパターンは逆方向に大きく動きやすい

騙しパターンは逆方向に大きく動きやすいのですが、その理由は単純です。

投資家D
投資家D

ブレイクした!!買いだ買いだ~!!!あれ!?

投資家E
投資家E

ブレイクしたから買ったけど、すごく下がってる・・・。どうしよう。このままだと塩漬けだ。

このような市場参加者が大勢いて、最終的に彼らが損切りの売り注文を出すためです。そして、

投資家A
投資家A

これは騙しパターンです。しばらくブレイクできない可能性が高いので売りましょう。

投資家C
投資家C

これは私が好きなパターンだよ。下方向に大きな動きを狙えそうだよ。

このような中級以上の市場参加者も大勢いて、彼らが新規の売り注文を出すためです。売り注文が殺到すると価格は大きく下落することになります。

うちゅーじん
うちゅーじん

厳しい世界です。真面目にお勉強して臨みましょう。

ちなみに、過去の分析記事では調整ブレイクが騙しパターンになるまでの過程を次のように解説しています。

先週の大きな上昇でトレンドラインを上に抜けています。ローソク足の終値でブレイクできるかに注目です。もし下落して終値でブレイクできないとなると、もしかすると下に見えるFR61.8%をトライに行くシナリオを考え始めなければならなくなるかもしれません。とりあえず終値に注目です。

マーケット分析20200225

急上昇後に急落し、3日続けての陰線になっています。下値ターゲットのFR61.8%までもう少しです。昨日も解説しましたが、月足が月足調整のトレンドライン(斜めの黒い線)より下で完成すると調整ブレイクの騙しパターンとなり中長期で下落する可能性が高くなります。月足の終値に注目です。

マーケット分析20200226

現時点で調整ブレイクの騙しパターンになっています。このまま月足が完成してしまうと、上昇全体に対するFR61.8%の下を目指すシナリオの可能性が高くなります。トップからジグザグをカウントしたときのFE100%がFR61.8%下にあるので、とりあえずここを下値ターゲットと考えておきます。もし急上昇して月足がトレンドラインの上で完成すれば話は別ですが、今の状況だと難しそうです。

マーケット分析20200228

まとめ

いかがでしたか?できるだけやさしく記事を書いてみました。最後に要約します。

僕の分析によると、ドル円の下値ターゲットは92円付近になりそうです。理由をまとめます。

USD/JPY(Month)
上昇全体に対するFR61.8%ラインを達成に行くため

初動の後の調整はFR61.8%より深くなる場合が多い点を考え、複数シナリオの一つとしてFR61.8%(レート:94.78付近)下までの下落シナリオは想定しやすい。

ジグザグ型の調整C波でFE100%ラインを達成に行くため

トップからの下落を調整と考え、その調整パターンがジグザグになると仮定した場合のC波ターゲットはFE100%(レート:91.72付近)となる。このラインは上記FR61.8%下の価格帯にあり、下値ターゲットとして妥当である。

月足が調整ブレイクの騙しパターンになったため

これまでは調整を上にブレイクして上昇するシナリオも想定できた。しかし、2月のローソク足が完成した段階で調整ブレイクが失敗に終わったことがほぼ確定となった。よって、下をトライに行く可能性が高くなったと考えられる。

最後に

ここではUSD/JPYのみに着目して解説しました。現在の材料として新型コロナウィルスばかりが注目されていますが、個人的には原油の方にも注目です。原油はここから半値になってもおかしくなさそうな状況です。原油安の影響を受けやすいのは資源国通貨です。現在、資源国通貨のクロス円はリスクオフと原油安という二つの材料で売られやすい状況なのです。資源国通貨というのはメジャーなものだとオセアニアの2通貨、AUD(オーストラリアドル)・NZD(ニュージーランドドル)、そしてCAD(カナダドル)です。個人的にはドル円よりもこれらのクロス円に要注目です。

普段はマーケット分析の方に相場分析を配信中です。ご興味ある方はブックマークして読んでみてください。

うちゅーじん
うちゅーじん

読んでくれてありがとう。一人でも多くの方に、テクニカル分析に興味を持ってもらえたら嬉しいです。

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